私にとっても大きなチャンスになるかもしれないし、さっきまでいた会社にも戻れないのだから前に進むしかない!


決意を新たにしたところで
彼の誘いを受ける前に
グラスに半分ほど入れてもらったワインを
躊躇なく一気に喉に流し込んでから…

「よ、宜しくお願いしますッ!」

緊張しながらも深々と頭を下げた。

「あ、うん…
 それはいいんだけど…大丈夫?」

「…へ?」

心配そうな彼の言葉に顔を上がると
途端にまわったお酒。


襲ってきた激しい眩暈に
ぐわんぐわんと目がまわり
あー…これはマズイなって思った時には
すでに遅かった。

「あれ…」

天井が視界に入りながら
意識が薄れていく。

「由凪さんッ!?」

焦る彼の声を最後に
私は、床に、暗闇に堕ちていった―――――