溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜


酷かったんじゃ…ない?

「え、でもさっき…」

目を逸らしたじゃん。
それは何?
褒め言葉でも絞りだそうと考えていたの?

「本当に綺麗ですよ!
 ぜひ自分の姿を見てください!」

唖然とする私とは裏腹に
笑顔の美容師が全身鏡を押してきて
自分自身が初めてその姿を目にした。

「…うそ…」

自分で自分に問い掛けたい。
『誰ですか?』と。

「髪質が良いので長さは変えずにレイヤーを入れて、黒が強かったから明るめにベージュカラーにしました。
 前髪も軽くして分けちゃいました。
 それとメイクはゴールドも加えたブラウン系に
 全体的に暗くなって血色が悪く見えたので
 チークと、派手になりすぎないようにグロスも薄めのピンクで仕上げました」

鏡越しに美容師がスラスラと説明してくれたけど
カタカナは多いし
今までそんな冒険をした事が私には未知の領域。
初の試みは受け入れるのに時間が掛かりそう。

「大変身は成功だな」

『いろいろありがとう』と彼は美容師にお礼を言うと、彼女も一礼して部屋をあとにした。