…いや、思った以上に顔が近くて
実際は目なんて見られないのだけど。
「さっきも言ったように
私はモデルなんて出来ませんッ」
思っている事を伝えるのに
とにかく必死だった。
「柄じゃないし
それでなくても目立つのが苦手なのに
カメラなんて向けられたら緊張する!
それに《《あんな》》ステージを歩くなんて
考えただけでゾッとします」
「あんなステージ?
って…ランウェイのこと?」
可笑しな事を聞いたのか?
少し驚いた顔で聞いてくる彼に
コクコクと首を縦に数回振って答えると
『ぷっ』と笑われてしまった。
「さすがにランウェイは難しいな。
由凪さんには俺のブランド会社の専属モデルを頼みたいんだし」
「せん…ぞく…?」
想像と違った返答に
また瞬きを数回。
よくわかっていない私に
彼は『先に説明しなきゃだね』と
近くにあった椅子を近付け腰掛けた。
えぇ、ぜひとも早くに説明して欲しいです。
「俺がブランド会社を設立したのは知ってるっけ?」
「えぇ、まぁ…」
インターネット情報ですけど。



