気を抜いたら涙が溢れそうな
それくらい切羽詰まっているはずなのに
不思議と吹っ切れてる部分もある。
真逆な感情で自分でも変だって思う。
でも本当に
不思議だけど『もう大丈夫』って言える。
一瞬でも青春のような淡い恋を出来たから
これも人生の1ページに刻まれる。
良い思い出として。
「本当に出て行くの?」
「はい。
決めた事なので。」
”絶対”の私の決意は彼にも伝わってくれて。
「…わかった」
承諾してくれた。
「マンションの部屋の片付けもしなきゃだけど
来週には出て行くね。
あ、それとモデルの方もまた空きが出ちゃって申し訳ないんだけど、次を―――」
「由凪さんッ
俺ッ」
話途中で、突然遮られた彼の声は焦っているみたい。
呼ぶ声と
何かを言いたそうな表情に
私は次の言葉を待ったけど…
「…ごめん、なんでもない」
だけど彼は
目を逸らして自制させてしまった。
何を言いたかったんだろーーーー
然さんに想いと別れを告げ
それから美南さんと桐生さんにも伝える事に…



