溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜


言わないと気が済まない気持ちは
私にもよくわかる。

だけど今そんな事を言ったところで
話は拗れてしまう。
それは然さんもわかっていた。

「美南、それ以上は言わなくて良い。
 何かと不利になる」

険しい表情のまま止めに入るから
悔しさが残る彼女は唇を噛みしめて黙ってしまった。

桐生さんも何も言わず
ソファに座ってスマホを弄っている。

「今日はご挨拶も兼ねてそれだけお伝えしたかっただけなので、私はこの辺で失礼します。
 鳴瀬社長、お考え頂き貴方自身と会社のためにも良い答えをお待ちしております」

弁護士は眼鏡を”クイッ”と位置調整し
無感情に捨て台詞だけ残して事務所を後にした。

「いけ好かない眼鏡野郎だったな」

ようやく声を発した桐生さんの暴言。
彼が珍しく怒っているように見えるのは仕方のない事。
私だって腹立たしいから。

「然、盗作なんて何かの間違いよね?
 何も悪い事なんてしてないよね?」

詰め寄って必死に否定の言葉を待つ美南さんに
然さんは口を開こうとしない。