彼女から見せてもらったのは
花柄をあしらったラップ風マキシ丈のスカート。
中がレースになっているのが特徴。
「あれ、これって…
然さんのブランドに似てる?」
まだ試着はした事ないけれど
ネットで何度か見ものと似ていた。
「ね、私も思ったの。
まぁ似ている洋服って正直たくさんあるし
マネだの盗作だのって線引きのラインは難しいんだけど…。なんかイヤな感じなんだよね。柄もだしバックリボンのデザインとか位置とか。妙に似すぎるっていうか…モデルの“勘”がそう言ってるんだよね」
「そう…なんだ」
“勘”を自信満々に言う美南さんは
さすがというか、なんと言うか。
私にはまだ全然その域には辿り着けそうもない。
「然はこの事を知ってるのかなって思ってね」
「うん…」
でも確かに美南さんの言う通りかもしれない。
素人の私が見たって似てると思う。
然さんはこれを見て何て言うんだろうーーー
2人で然さんの戻りを待つこと数分。
事務所に帰ってきた彼は
とても厳しい表情をしていた。