ポタポタと顔を伝い
首へ、洋服へと滴る水。
…どころの量じゃない。
500mlのペットボトルが空になるんだから、雨に打たれたような濡れ方だ。
「あちゃー…まさか然にバレちゃうとは。
それもこの感じだと
かなりキレてるよねぇ…」
恐ろしさがあるようで振り返れないらしく
私の方を向いたまま苦笑する桐生さん。
確かにココまでするとは思わなかったから
見ているこっちも顔が引きつってしまう。
「何やってんだよ、新多」
暗闇から聞こえる突き刺すような冷たい声に
私と桐生さんを息を呑んだ。
「いいいや、これは、その、アレだッ
ま…魔が差したんだよ!
俺の中の“性欲魔“が!」
すかさず私から離れクルッと然さんの方に振り返ると、恐怖を振り払うように必死に言い訳をする彼。
胸を張って上手い事を言ってる風だけど
“性欲魔”って
いかにも危なそうな悪魔みたい。
「夜道の1人歩きが危ないって送ったはずなのに
新多が襲ってどうするんだよ。
どっちが変質者かわかんないぞ」
「うぅ…仰る通り…」
あ、認めた。



