溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜


営業用文句なのか模範解答とも言える神対応に、やっぱり”質の違い”を感じさせられた。

「では、また後日
 仕上がった映像をお持ちします」

ディレクターも含め
両社長とそんなやりとりが済み
解散しようとした時だ―――

「そうだ、1つお願いがあるのですが…」

突然に何を思い立ったのか
車に乗り込む前に発言する彼に
社長達も頭に”ハテナ”がついている。

「そこの彼女を借りていっても宜しいでしょうか?」

そう言って視線を向ける先を
その場にいた全員も目で追うと
行きついた相手は…

「…へ?」

私…ですか?

思わず瞬きを数回。

「な、鳴瀬さん
 なぜ彼女を…」

戸惑いを隠せないのはウチの社長。
思いも寄らない彼の発言にタジタジの様子。

「彼女、良い素質があるように思いまして
 ちょっと話をさせて頂きたいなと。」

「そ、それでしたら彼女より他の者の方がッ
 彼女、こんな見た目ですし
 化粧品を扱っている会社なのに女性らしさの欠片もない暗い社員です。
 素質など微塵もあるわけが…」

浴びせられた社長の罵倒に
私は衝撃でしかなかった。