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 久しぶりに宮から連絡が来たので、虹雫は舞い上がっていた。
 「どこかデートに行こうか?」と誘ってくれたが、虹雫は宮の家に行きたいと言うと「じゃあ、食事は外にしよう」と、宮が提案してくれた。虹雫の手間を考えての提案なんだろう、とわかったので素直に甘えることにした。
 




 「そのお皿、買ったの?」
 「うん。宮の家にお皿ないから少し増やしたくて。あ、でも安物だから気にしないで。私がやりたくてやってるだけだから」


 虹雫は、準備してきた皿を宮のキッチンにある棚に並べていた。宮はほとんど料理をしないので、皿が数枚しかなかったのだ。虹雫が少しずつ増やしていって、今ではかなりの数が集まってきていた。グラタンの皿やこれからの夏用にガラスの物も用意したのだ。それを収納し、満足しながら見ていると宮もキッチンにやってきたのだ。
 宮が普段使わない皿が勝手に増えていくのは、迷惑だろうか。そんな風に思い心配していた虹雫は宮の表情をじっと見つめた。が、彼は何故かとても嬉しそうに皿が並べられた棚を見ていた。


 「宮、食器とか好きなの?」
 「………え?いや、そういうわけじゃないよ。ただ何かこれを見ていると虹雫が居ない時でも、虹雫がいるみたいに思えそうだなって思って」
 「じゃあ、寂しくない?」
 「寂しい。一度、この時間を知ったら、手放したくなくなる。だから、一人になると寂しい」
 「私も………」