お祝いの言葉を交わした後、3人でグラスを合わせる。カチンっという音が響きいた後、食事がスタートする。この3人が集まると、いつも食事はスローペースになる。話が止まらないからだ。そんな3人のにぎやかで和やかな雰囲気が、虹雫にとって幸せな時間だった。


 「雑誌の表紙はそろそろだろうと思ってたけど、超高級ブランドの専属モデルはすごいな」
 「まー、日本だけの広告の専属だけどな」
 「それでもすごいの!大活躍だよね。最近出た雑誌も買っちゃったー。シャワー室で濡れてるやつ。えっちな雰囲気だったね。なんか、剣杜じゃないみたいだった」
 「俺はいつもあんな感じなんですけど。おまえの目がおかしいの」
 「そんな事ないよ!」
 「最近は色気が増したって言われるしな。これからもっと売れてやるからな」
 「また忙しくなるの?」
 「大丈夫だろう。剣杜は、何があっても会う日には休みとってくるんだから」
 

 虹雫の不安を察知して、宮はそうフォローしてくれる。剣杜も「当たり前だろ。そこに仕事に入れようとしたマネージャーはかえさせてやる」と、断言する剣杜もにっこりと笑って安心させようとしてくれる。そんな2人を見て、虹雫もゆっくりと笑顔で頷く。