職場での出来事を思い出しながら話してしまい、テンションが上がりながら話をしてしまったせいか思った以上に声が大きくなってしまった。けれど、彼は虹雫以上に嬉しそうに笑い、喜んでくれる。
 そうやって気持ちを共有してくれるのが嬉しくて、虹雫はその後もその話をし続けてしまった。うんうん、と笑顔で相槌をうちながら話を聞いてくれる彼に甘えてしまったのだった。


 そして、気づけば帰りの車の中。
 虹雫はまた、やってしまった……と。宮に頭を下げた。


 「ごめん……。宮が話があるって来てくれたのに私の話ばっかりしちゃった」
 「いいんだよ。店ではしにくい話だったし。この駐車場で少し話そうか」



 レストランの近くのパーキング。少し街中から離れているせいか、空車が目立っていた。夜も深くなってきているので、人通りもあまりないので話すにはピッタリの場所だ。
 ただ、人がいてはダメな内容を話すとは思っていなかったので、虹雫は驚き、どんな話が待っているのか緊張してしまった。


 「え……何の話だろう?少し怖いな……」
 「虹雫」
 「はい……」
 「虹雫って、俺の事好きだよね?」
 「………ぇ……」


 あまりの衝撃に虹雫は言葉を失ったまま固まってしまった。

 今、好きって言った?

 自分の気持ちがバレていないとは思っていたが、この瞬間に話が出るとは思っていなかった。


 「え……、私……その……」
 「悪い。単刀直入すぎたな。けど、そんな感じがしてたんだけど。違う?」


 宮はいたって普段通りの調子で、虹雫の顔を見つめる。が、虹雫はそうはいかなった。