「早く物語書きたいなー。沢山、ワクワクしたい」
 「まぁ、その前にやる事があるだろ?」
 「うん!そうだね。そっちの方が楽しみだし、幸せだよ」
 「俺も、同じだ」


 虹雫の左指には大きなダイヤモンドが輝いているリングがはめられている。
 つい最近、宮からもらったものだった。
 
 虹雫と宮は婚約をした。
 虹雫の映画の公開日、宮は「やっと君を俺のものにできる」と微笑みながら左の薬指にはめてくれたのだ。
 それを思い出すと、今でも泣きそうになるぐらいに感動してしまう。


 そして半年後に結婚式をする。
 親族や親しい友人のみを招待した、小さくささやかな結婚式にするつもりだ。
 その結婚式では、宮と虹雫。そして、剣杜と朽木。一緒に行うのだ。
 それを聞かされた時、虹雫は嬉しくて泣いてしまったほどだ。

 結婚式当日はどんなに幸せなのだろう。そう思ってしまう。
 虹雫は指輪を見つめながら、言葉をもらう。


 「私たちって、ずっと3人で支え合ってたよね。それが三角によく似ていたから。ずっとずっと三角が好きだったんだ」
 「そうだな。ずっと、三角のストラップも大切にしてくれてたな」
 「うん。でも、結婚っていうか恋愛って指輪もそうだし、2人で手を繋いで抱きしめ合ってるの、丸だなって思うの。今度は2人で支え合っていくんだなって。けど、その丸がかさなっていけば、どんどん長い鎖みたいになるなって。それって、すごく強そうだよね?守れるなって思ったんだ」
 「俺は、虹雫をこれからも守っていくし、もちろん大切な人も守りたい」
 「うん、私も守って幸せになっていきたい」
 「秘密を共有していた三角は終わりだね。手を繋ぎ合って大きな丸をつくっていきたい、ね」