「……お、驚いたけど、でも2人の雰囲気がすごくいいから。なんか、安心しちゃった」
 「おまえ、恋人いたんだな。いつまでも1人なのが不思議だったが」
 「2人になかなか話せなくて悪かった。虹雫の事が解決もしていないのに、俺だけって思ったら伝えられなかった。秘密にしてて悪い」
 「男の人同士だから、言いにくかったってわけじゃないよね?」
 「当たり前だろう。俺はこいつを好きだし、宮と虹雫がそんな事で偏見持つような奴じゃないってわかってるからな」
 「うん。それを聞いて安心した……」


 2人は隠れていたわけじゃない。
 堂々と当たり前に愛し合っているのだ。それがわかって、虹雫は安心した。


 「俺は、剣杜を危ない目に遭わせてくれたおまえに怒っているがな」
 「だから、それは俺がやるって言ったんだってば」
 「剣杜はいつも幼馴染優先だからな」
 「だから、拗ねるなって」
 「……おまえ、後で覚悟しておけよ」


 目の前で喧嘩腰に話す剣杜と朽木。
 だか、そこには2人の日常があって、自然な空気感を感じられた。
 剣杜はこの人に大切にされているんだ。だからこそ、いつも笑顔で楽しそうなんだ。彼の幸せを根源をしれて、虹雫は嬉しくなってしまう。

 虹雫は宮と顔を合わせて微笑み、そして「剣杜、遅くなったけど。お付き合い、おめでとう」と笑顔で伝える。
 すると、剣杜はくしゃりと嬉しそうに微笑み「おまえたちもな」と照れ隠しの返事をくれたのだった。