あぁ、いつもの宮だ。
 この言葉も優しさも温かさも匂いも切ない笑みも。全てが大好きな宮だった。


 「宮、私は宮をずっとずっと愛しています」
 「うん、俺も愛してるよ。ずっとずっと昔から今も、これからも。虹雫だけが好きだよ」


 宮の瞳が潤んでいる。
 あぁ、宮も同じ気持ちなのだ。
 愛しくて大切で会いたくてたまらなかった。そんな感情で、瞳が揺れている。

 虹雫も彼の頬に両手を添えて、宮の目元を優しく親指でなぞる。
 その感触に宮は目を細め、小さく微笑む。彼が笑えば、私も笑顔になる。
 2人は笑みを浮かべ、そして自然と距離を縮める。そして、ゆっくりとお互いの存在を確かめるように唇を合わせる。

 全てが終わった日。
 気持ちをさらけだした、涙を見せあった、心から向き合い、お互いの好きを知れた日。
 やっと本当の恋人になり、繋がれた気がした。


 その後は呼吸さえも奪い合うようなキスが続く。
 やっと手に入れられる。自分だけの恋人。その幸福を全身で確かめるように、虹雫は宮から与えられる甘い熱を受け入れ、長い長い夜を過ごしたのだった。