「だめだ!考えすぎはよくないよね。本を読んで気分を変えないと…………あれ?メールが来てる?」


 視界の端で光りが点滅しているのに気づいた。それはPCのメール通知の点滅だった。
 虹雫はハッとして急いでPCを開いた。

 高まる鼓動を感じながら、虹雫はメールフォルダを確認する。
 すると、虹雫が問い合わせし続けた出版社からのメールだった。タイトルには「投稿していただいた小説についてのご連絡」とあった。



 ドクンッ。


 心臓の音で、視界が揺れたように感じる。
 虹雫は、震える指でマウスを掴み、メールを開く。
 


 「………ッ。…………嘘………」



 その文章を呼んだ虹雫は息を飲んだ。
 そこには「小説を読ませていただきました。その結果、ぜひ当社で出版して欲しいとの結論に至りました。そのため、1度お会いしてお話をさせていただけませんでしょうか。下記の連絡先にてご連絡のほどよろしくお願いします」とあったのだ。

 自分の小説が認められた。
 そして、盗作についても考えてくれるのだろう。

 虹雫は驚きと嬉しさで涙ぐみながら、すぐに記載されていた電話番号と担当者である「一条」という人物へと電話をかけたのだった。