甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています


織田さんと三橋さんは顔を見合わせながら頷き合っている。

「受診者に絡まれた瀬尾さんを助けに入る感じ、めっちゃかっこよかったね」
「アレはズルいよねー!」
「彼女いるのかな?」
「今日は友藤さんも来てたし、イケメンに縁のある日だわ」

キャーキャー盛り上がっている2人に朱音ちゃんが「お昼短くなりますよ」と苦笑しながら告げると、この近くにある評判のカフェでランチをとる予定だという2人は、さっさと白衣を脱いで出ていった。

パワフルな2人に圧倒されていると、朱音ちゃんに「お昼どうする?」と聞かれたので上の社員食堂に行こうと考えていたことを話す。

「あ、社食に行こうと思ってるの。さっき騒ぎにしちゃった受診者さん、レントゲン行く前にわざわざ謝ってくれて」
「え、そうなの?」
「大事な会議が近くて焦ってたって。それでね、ここの社食なかなか美味しいから良かったら食べてごらんってチケット貰っちゃった」

さっきの男性社員、早見さんは企画部の部長さんらしく、今は仕事が本当に忙しい時期らしい。
だからって娘ほどの年の子に八つ当たりするなんて申し訳なかったと、少し冷静になったのかエレベーター前で謝ってくれた。

そして、うちの商品を気に入ってくれてありがとうと、社食の無料チケットを貰ったのだ。

白衣のポケットに入れていたチケットを見せると、「さすが、遥ちゃんは愛され女子だね」と笑う。