甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています


朝礼を済ませていよいよ健診が始まる。

受診者はまず受付を済ませると、こちらが指定する順路に沿って全員同じ項目を同じ順番で受けていく。

受診者がそれぞれ空いている検査からバラバラに受けていけばいいのにとよく言われるし、もちろんそういった手順で行う施設もあるけど、それだと抜けてしまう検査があったり、結果を受付番号順に並び替える手間などがかかる。

C健の出張健診では総合的に全員同じ順番で受けてもらうのが効率的だと判断して、どの現場でも同じように進めている。

しかし、やはりそれを不満に思う受診者さんというものは一定数いるわけで…。


「だから!わざわざここで待ってる時間に先にレントゲンとかあそこの暇そうにしてる採血とか先にやらせてよ!こっちは仕事中断して来てるんだから!」

1人の男性が、受付をしている朱音ちゃんに向かって大声で抗議しているのが聞こえてきた。

受付をしたあと、血圧測定、視力検査、身体測定など済ませていき、看護師さんによる採血、医師の問診を受けた後、駐車場に止めてあるレントゲン車へ行き胸と胃のレントゲンを取って健康診断は終了となる。

全員が同じ順番で進んでいくため、当然ながら最初の30分ほどは医師もレントゲン技師さんも時間を持て余す。
確かにこの現場だけを見れば、非効率的だと思われても仕方ない。