【22年前】「光利百合さーん。どうぞー」
私は元々、生理不順で
「はい」
体も弱くて、貧血ぎみで
「おめでとうございます。妊娠してますね。
んーこのくらいだと今は6週目ってとこかな」
だからだと思ってた。
「妊娠...?」
体調の悪さも吐き気も
「出産を希望しますか?」
いつもと同じだと思ってた。
「私はまだ、高校生なんです...」
たった15歳の私には、
この現実を受け止める勇気もない。
「...お相手の方は?出産の場合ですと、」
医者の話しについていけなくて
「...」
答えられるハズもない。
