35cmの音

足が遅かったから
いつもリレーでは追い抜かれた。

私が追い抜かれるたびに
「あーぁ」とか「はぁ」とか
落胆する声が響いた。

だから私も「もう、いいや」って
本気で走っても無意味だから
もう走ることすらやめようとした。

そして運動音痴の私はお決まりのように転んだ。

先生や誰かが起き上がらせてくれる
そう思ってた。


だけど、



「こらー!!!寝てんじゃねぇ!」



ブーイングが響く中、

「諦めてんじゃねぇよ!立ち上がれ!」

誰も応援なんかしてくれないのに

「歩いてんじゃねぇよ馬鹿!!!!」

ユナだけは誰よりも大きな声で

「本気で走らんかい!!!!!」

周りの声を打ち消してくれるほど
いつも叫んでくれた。



私の事をいつも見守ってくれていた。