35cmの音

「いってきます!」

「「いってらっしゃい」」

私はお店を飛び出した

「...あの子、いつからあんなに強くなったんだろね。」

「...そーだな。クッッ」

「まーた泣いてるの?!アンタって人は」

「いつまで経っても心配なんだよ...!」

「そうね。嬉しい反面、少し寂しいわね」

「でもあいつが幸せになるなら何度だって背中を押してやる!」

「そうそう!そして迎えてあげよう!」

「だな。親ってモンは幸せなんだな...」

「私達、あの子に教わってばかりね」

「本当にそーだよなぁ...」

「アンタはさ、自分の子供...欲しかった?
ごめんね。私は...産めない体だから、」

「ここにいるじゃねぇか。」

「え?」

「アイツは俺達の娘だろーが。あの日にそう決めただろ」

「...そうね。」