咲那の家を飛び出して
俺はアメリカに戻った。

理由は“咲那を好き”だと

本気で思ったから。

「ばーちゃん。あのさ俺、
父さんの所に行こうと思う。」

「日本に?」

「うん。会社継がないって
もっかいちゃんと話してくる。」

「...そう言うと思ったよ。そーかいそーかい!
とっとと好きな所へいっちまいな!」

「怒らないの?」

「孫が自分のやりたいことやって何を
怒るんだい?なーに会社は潰れやしないさ」

日本語で喋るばーちゃんは
時代劇とかに出てきそうな喋り方。笑

「あんなでかい会社、
どー頑張っても潰れねーな。」

「私が女社長として
頑張ってきたからね!」

若い頃にばーちゃんが始めた会社

じーちゃん死んでも何のその!って
感じで、会社一筋だったもんな。