天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~



―――――― 


その“校内放送”が流れたのは、

お昼休みの時間・・
お弁当を食べ終わった時でした。



<繰り返します。

野球部員は本日の練習前、
化学室へ集合してください。>


デザート代わりのチョコを頬張ろうとしていたアリサと一緒に・・

ポカーンと変態の声に耳を傾ける・・。


「え・・え・・なんだろね・・?」


「なんか怖いんだけど・・。」


アリサと二人・・お互いの鳥肌を見せ合う。


本当に忠実に、“一切の口出しをしない”宣言を守っていた阿部先生が・・

初日以来、
ウチらを化学室へ呼び出すなんて・・。



お昼休みが終わって午後の授業を受けてる間も、

あのニチャァってたまに見せる気持ち悪い笑顔が浮かんでなかなか集中できなかった。