天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~



一瞬・・・何が起きたか・・・
・・・分からなかった・・・。


打席に立つ龍ちゃんが・・“えっ?”という表情を見せて・・右手を上げる・・。


15回裏に向けて、ベンチ前でキャッチボールをしていた憲伸くんが、

マウンドを指さして、
球審に大声でアピールする・・。


両手を上げた球審が・・
ゆっくりマウンドに近づいていく・・。


相手キャッチャーが・・・
呆然として立ち上がる・・・・。




セットポジションに入りかけた上原君が、
それを【途中でやめて】・・

キャッチャーに首を振りながらボールをまた背中後ろに戻した・・・。





《・・【ボーク】!!
ランナー進塁してください!》


球審がタイムをかけて・・
三塁ランナー山口くんへ合図する・・。


マウンド上の上原君は・・
まだ自分で実感が沸いていないのか・・

自分でもどうしてそんな事をしたのか分かっていないのか・・

無表情の仁王立ちのまま・・三塁ランナー山口くんのホームインを見届ける・・。




【ピッチャーの投球時に、
違反行為が発生した時の反則】


【塁上にランナーがいる場合、
1つ分の進塁権利が与えられる】



その種類は色々あるけど・・

今回は[投球動作を途中でやめた]
という【ボーク】が取られ・・


まさかの形で・・・
青愛学園に勝ち越し点が入った・・。