天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~



《青愛学園、30秒経ちました。
プレイに入ってください。》


「・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・中村・・・・・。」


「・・・・・分かった。」


龍ちゃんがヘルメットを取って・・。
唇を噛みながら・・私の横に座る・・。

それと同時に、
中村くんが球審に選手交代を告げた。


得点 0―0
8回表 2アウト二塁。


龍ちゃんに代わって、その選手の名前が球場内にアナウンスされる。



「・・・・ミク・・・・。」


「うん・・・。」


「・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・すまん。」


「ううん!龍ちゃん、大人になったね!」



【4番バッターに代打】


きっと・・龍ちゃんのプライドはズタズタで、大声で“チクショウ!”って叫びたいはず・・。


それでもグッと堪えて阿部先生の指示に従ったのは、

この1年で“客観的に判断する力”を身につけたから。


そして・・鬼気迫るオーラを放ちながらバッターボックスへ向かう【背番号13】に、

全幅の信頼を寄せているから・・!!


「よっしゃー!渡辺決めてくれ~~!!」

「渡辺!!!任せたぞ!!!」


大西くんに続いて、ベンチから立ち上がった龍ちゃんが声を張り上げる。


右バッターボックスで構える、
ウチらの切り札・・渡辺くん!!