天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~



「そんな事してたんだったら・・
どうせ・・立浪くんの事だったら・・

証拠映像は無いけど・・

守備練も体力作りも、
ずっと・・独りでやってたんでしょ?」


「・・・・・・・・飛躍しすぎだ。」


「伝言伝えたから・・私は学校に戻るから。

ウチらは最後の大会に向けて最後の調整で忙しいから。じゃあね。」





「・・・・・・・・・・筒井。」


「・・・・・?」


「『俺はもう野球なんざしたくない。』『気晴らしにちょっとバッセン行っただけだ。』

・・俺からの伝言、伝えるの忘れるなよ。」


「・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・。」


「・・・あ、独り言呟くの忘れてた。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「アリサとサエちゃんと3人で協力して、みんなにユニフォーム型の【御守り】作った。

一人一人、背中部分の裏側にアルファベットで名前入れた。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「布が最後にちょっと余っちゃって、
勿体なかったから、

めんどくさかったけど、
“TATSUNAMI”の分も作った。

だからユニフォームと一緒にロッカーに入れておくから。」



「筒井らしい“自己満足”のエゴの塊だな。」


「独り言だから気にしないで。
・・・・・じゃあね。」











学校に戻った後、阿部先生に報告をした。


“そうですか”と一言呟いた後、

私のちょっと潤んだ視線から感じ取ってくれたのか、続けて言った。


[僕は強制するつもりはありません。やりたくないのだったら別にやらなくていい。]


ほんの・・ほんのほんの・・
ほんのちょっとだけ変態に期待したけど、

でも阿部先生の結論は、
“僕が彼にできる事は無い”だった。


でも・・・・


[せっかく18人迄は選手登録が出来るので、彼の名前を消すつもりもありません。]


最後はいつもの通り、気持ち悪いニチャァ笑みを浮かべて鳥肌が立ったので、

緩みかけた涙腺も引っ込んだ。