天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~



―――――― 


理事長と訪れた入院病棟。


ちょうど・・と言ったらあれだけど、

保護者の方は不在だったので、
本人と我々だけの空間が出来た。


「・・・打球が当たっただけです。」


「では、“江藤先生が殴った”という事実は無いんですか?」


「・・・・・・・・はい。」


理事長の問いかけに立浪君は“否定”をする。


・・一体・・どっちなんだ・・・?


江藤先生は明言を避けた。
立浪君はハッキリと否定した。



「・・・立浪君。もし江藤先生を庇っているならそれは大間違いですよ?

先日の夏の大会でベスト16に導いた江藤先生の手腕には私達も感謝していますが、

暴行などもってのほかです。
学園側できっちりと対処します。」


「・・・・・いえ、この鼻は俺が打球を取り損なったのが原因です。」


「・・分かりました。また何か思い出した事があったらいつでも仰ってくださいね。」




何か・・立浪君の表情を見ていると、
モヤモヤとしたものを感じる・・。


だけどこれ以上の追及をしてもしょうがないので、理事長と病室を出た。




「理事長・・新聞記者の対応・・
・・いかがしますか?」


「・・・フゥ~・・・。

当事者が認めていないので“そのような事実は無い”と否定するしかありませんね。」


「しかし・・一度否定してしまったら・・

その後にもし“事実”だと逆転したら、

我が学園の[隠蔽行為]をも疑われますぞ・・?」


「・・フゥ~・・・・杉下先生。」


「はい・・・・。」


「私はこれから消防署へ行ってきます。
杉下先生は先に戻っていてください。」


「・・あ!忘れてた・・!

まだあのマッドサイエンティストの対応が残ってた・・。」