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「はぁ〜…補習面倒だなぁ〜」
放課後がやって来てあまりの憂鬱さにため息が出る。
するとぐいっと後ろから誰かに鞄を掴まれ、バランスを崩してしまう。
ぽすっと体を後ろにいる人の胸にもたれかかった時、
「花崎さん」
聞き覚えのある声が上の方から聞こえた。
「あっ、えっ、ひ、日山くんっ…!
どどどどうなすって…!?」
昼休み、日山くんとは少し気まずい雰囲気になったため、向こうから声をかけてきてくれたのは嬉しいと同時に挙動不審になる。
「…今日、一緒に帰る?」
「はへっ?」
…え、今なんて言った?
『Let's go home together!』
って言った!?(誘ってはいない)
耳を澄ますポーズをし、聞こえなかったフリをする。
「花崎さんがどうしても一緒に帰りたいなら帰ってやってもいいけど」
「おぉん??」
フンッと息を吐き、腕を組む日山くん。
また謎のツンデレキャラだ。
ってゆーかそんなことより、日山くんと一緒に帰りたい…!!
でも私には補習がある。
補習サボってひゃーまくんと帰りたい…!!
くぅっ……!!


