振り返ると満面の笑みでこちらにやって来るのは──…
「千花くん!やっほー!」
嬉しそうに駆け寄って来る千花くんに手を振る。
「美緒ちゃんの後ろ姿が見えたから話したくてつい声かけちゃった…!」
「へへっ…」と照れ臭そうに頬を掻く千花くん。
彼の頭に犬のような耳が一瞬だけ見えた。
ふとかよたんたちの方に視線を向けると目を見開いて私たちを交互に見ている。
「…はっ!!千花くん、紹介するね!
こちらの美人な女性は私の親友かよこちゃん。そしてこの見た目がうるさいのが深森くん。私はチャラ森くんって呼んでるよ!」
千花くんに分かりやすく丁寧にかよたんたちを紹介する。
「…で、今日の朝会ったけど、この顔面国宝級イケメンが日山くん!近くで見ると更にかっこいいよね!」
一通り3人の紹介をすると千花くんはじっと日山くんを見る。
かよたんたちも千花くんを見つめたまま、何も喋らない。
「…あ、かよたん!この人は速水 千花くんだよ!船瀬くんと同じバスケ部なんだって!」
ちなみに船瀬くんという人はかよたんの好きな人である。
彼とは一度話したことがあって、とても優しい人だったのを覚えている。


