「うんうん!とわぴはかっこいいからね!」
彼に近づきたい気持ち、私にも分かるよ…!
そう、まるで鹿せんべいを持った観光客に何十匹もの鹿が群がっているかのような──
(決して悪気はない)
同級生の日山 永遠くん。
容姿端麗、頭脳明晰。
スポーツも万能でまさに完璧という言葉が似合う彼。
誰にでも優しく、物腰柔らかで皆の人気者。
いつも美しい笑顔を女子たちに振り撒いていることからついた名前が"王子"である。
彼に告白する女の子は学年問わず日常茶飯事だとか──
まあ私もその内の一人にすぎないのだけれど…
だがしかし!!!
私は彼が王子である理由で好きになったわけではない!!
冒頭の方(P.4)で彼を好きになったきっかけを語らせてもらったと思うが、日山 永遠くんは乙女ゲーム「アイドル☆スターズ」に登場する私の最推し"日向 永遠"くんに激似なのだ!!
キャラメルブラウン色のふわふわと柔らかそうな髪にぱっちりとした大きな瞳、真っ直ぐ通った鼻筋。
もう何もかも似ているのだ!
しかも名前が漢字一字違いだし!!
こんなことってある!?
自分の推しが現実に、2.5次元男子が目の前に現れたんだよ!?
あたしゃ身が持たないよ!!!


