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「あ〜なんか面白いこと起きねえかな〜」
深森くんが雲一つない空を眺めながらぽそりと呟く。
今日も深森くんと日山くん、私とかよたんの4人でお昼ご飯を食べた。
そして現在、屋上から教室へ戻るために深森くんが中心となって駄弁りながら廊下を歩いている。
「…面白いことって例えば?」
かよたんが深森くんの発言に問いかける。
「んー例えば…花崎ちゃんのこと好きな男子が現れる、とか?」
「それは面白そう」
「でっしょー!?」
何故か意気投合しているお2人。
私からすればちっとも面白くないけどね。
例え、私のことを好きな人が現れたとしても、私には日山くんがいるのだから…!
まあ、肝心の日山くんには全く相手にされてないんですけれども…
やっと目合わせてくれると思ったら先程のお昼ご飯の時は思い切り逸らされた。
前を歩いている日山くんをチラッと見る。
熱い視線を送っても気づいてくれる気配はない。
追いかける恋って楽しいけど、結構辛いよね…
ぴえん超えてぱおんだよ。
はぁ…と盛大なため息をついた時──…
「美緒ちゃん!」
後ろの方から元気な声が聞こえた。


