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「終わった〜〜〜!!ありがと美緒ちゃん!やっと部活行ける〜〜!!」
「そ、それはよかった……」
はぁ…とため息をついて帰る支度をする。
結局、最後の問題まで教えてしまった…
だって『0の中に横の線入ってるのって何?』とか聞いてくるもんだから、まさか記号から教える羽目になるとは…
「間違ってるかもしれないからわからないとこは先生に聞いてね?」
「おっけー!」
本当に聞きに行くのだろうか…
ってゆーかこの人よく高校受かったな。(人のこと言えない)
再度ため息をつき、ふと速水くんの文字に目がいく。
「…速水くんの下の名前、千花っていうんだね」
そう言うとしばらく返事が返って来なくて「あれ?」と思い、彼の方を見る。
すると速水くんはどう言った感情なのか分からないが、目を見開いている。
「何で知って……」
「え、だって名前書く欄にフルネーム書いてあるし…」
「え!?わーっ!!ほんとだ〜〜っ!!」
速水くんは慌てて自分の名前を隠した。
そして「あ〜〜っ…」と恥ずかしそうに唸り声を上げる。
騒がしい人だな…と思いながら首を傾げた。


