悲しみに暮れ、重い足取りで自宅へと帰った私は自分の部屋にこもり、あるゲームを起動させる。

「つづきから」を選択し、無心でゲームを進める。

そして丁度告白するイベントが発生し、主人公は"彼"に告白をされる。


『ヒップドロップをされたあの日からもうお前にハマっていたのかもしれない……
世間が何と言おうと俺はお前が好きだ。俺が18歳になったら結婚してくれ』


画面に映っている彼は頬を赤く染めている姿から一枚絵に変わる。

「HAPPY END!!!」と書かれた文字が表示され、"推し"の攻略が終了した。

幸せそうに手を取り合って見つめている主人公と推し。

その2人を見てブワッと涙が溢れ出た。


「ゔわーん!!どわびぃぃぃっ!!
ゲームではオッケーしてくれたのにどうして現実では私の気持ち受け止めてくれないのぉぉぉっ!!!」


先程好きな人に振られた私は現在の趣味でもあり、生きがいでもある乙女ゲーム「アイドル☆スターズ」略して「ドルスタ」をプレイ中。

そして「ドルスタ」に登場する日向(ひなた) 永遠(とわ)(渾名はとわぴ)という人が私の推しである。

主人公にヒップドロップされて喜んでいる場面があったが、それ以外はとても素敵な男の子だ。


微笑み合っている推しと主人公を見つめ、盛大なため息を吐いた。

とわぴ、マネージャーとアイドルというスキャンダルな恋愛しちゃって……


現実でも私が幸せにしてあげるというのに…!!

ってゆーかとわぴのこの表情めちゃくちゃ良いな。最高かよ。



「推しが尊すぎて辛──い!!!」