「穂波さんいるし、俺行くね」


日山くんがいつも以上のキラキラスマイルで颯爽と歩いていく。


「えぇ……」


呼び止めようとしたが、何て言おうか迷い、行き場のない手だけが前に出る。


「ごめん、美緒。王子と一緒に登校できたのに邪魔しちゃったね」

「ううん、大丈夫だよ!寧ろ日山くん、気遣ってくれた感じだし!」


かよたんが来たことにより、自分は邪魔だと思った日山くん…

わざわざそんな気遣いしなくていいのに。

まあ、さりげなくそうゆうことできる所も好きだけどさ☆


「ってゆーか見てるだけの恋に戻るんじゃなかったの?」

「そのはずだったんだけど、『友達になってください』って言ったらOKしてくれたんだ〜!」

「友達って…美緒はそれでいいの?」

「また頑張ってアピールするよ!」

「相変わらず前向きだね。
美緒見てるとこっちまで元気出てくるわ」


「よしよし」とかよたんが頭を撫でてくる。

照れ臭いあまりはにかむとぎゅっと抱きしめられた。


アピールするとは言ったものの、まず目を見てもらわなきゃ。

さっきの日山くん、様子変だったし…

ふむ…と考え込み、かよたんとくっつきながら学校へ向かった。