…今日は仕方なくだから。

そもそも俺が元凶でこいつが危ない目にあうと思ったからであって…

自分にも責任があるからちょっと気になっただけで……

さっきの先輩たちも今後はこいつにしたように他の子に対しても袋叩きにすることはないだろう。

よし、明日からは金輪際こいつに関わらない。


そう思ったのに──


「〜〜っ私、やっぱり日山くんが好き!!」


突然何度目か忘れたけどまた告白してきて、頭おかしいんじゃないか…と思った。


「電車で出会ったあの日からもう、ずっと日山くんに恋してるよ」


"電車"というワードが出てきて耳を疑った。


"電車で出会ったあの日から"って──…

こいつが電車で知らない男に痴漢に遭っていた時に俺が助けたってことを覚えている?

電車に降りて少し話したことも…?


こいつが俺のことを覚えてくれていたことが何故か嬉しくて。

何も言えなかった───


「好きだよ、日山くんが大好き。
優しい所も口が悪い所も笑うと子どもみたいな所も……全部好き!」


花崎は目を細めて微笑みながら俺に気持ちを伝えてきた。