──私は一瞬、王子って誰?となった。
王子……王子……??
…あ!日山くんのことか!
日山くんの素を知ってからというもの、
彼は王子ではなく、普通の男の子にしか見えなくなってすっかり渾名を忘れていた。
「えっと、私は日山くんのファンです」
「はあ?」
何故かうざそうな顔をされて私は首を傾げた。
私、何か気に障るようなこと言ったかな?
この人たちも日山くんのファンだよね…?
「あたしが聞いてんのはあんたが最近王子の周り彷徨いてるからどうゆう関係かってことなんだけど?」
「彷徨いてる…?私はただのファンですよ?」
「はあ!?何嘘ついてんの!?」
急に怒鳴られ、ビクッと体が反応する。
「な、何を怒ってらっしゃって──」
「あたし、昨日見たんだからね!
王子と仲良さそうに保育園から出てくるとこ!」
ずいっとスマホを目の前に持ってきて、私と日山くん(プラス悠くん)が一緒に歩いている後ろ姿の写真を見せられる。
ちょうど悠くんが日山くんと被っていて私と2人で下校しているようにも捉えられる。
…ってゆーか、これ盗撮では…?


