「花崎さん、何してんの。おいてくよ」
いつの間にか歩き出していた2人に慌てて追いかける。
「ひゃーまくん!待ってよー!」
「…あ?んだよ、その呼び方」
◻︎
結局、私と悠くんと日山くんで帰ることになった。
帰り道は悠くんと日山くんがずっと話していて、私はそれを聞いているだけ。
日山くんと共に帰れて舞い上がりたい気持ちでいっぱいだが、
2人が楽しそうに話しているのを邪魔したくなくて。
しばらく歩いていると十字路が見えてくる。
「あーっと…私、こっちだから!じゃあね!」
2人と反対方向の道へ足を進めようとする。
「おにいちゃん、みおちゃんおうちまでおくってあげよう?」
「ええっ!?」
悠くんの提案に思わず声が裏返ってしまう。
「悠くん、気持ちは嬉しいけど……」
さっきから日山くんの感情がわからない…!!
貴方様は一体何を考えていらっしゃるの!?
「ぼく、みおちゃんとすこしでもながくいっしょにいたいんだ。……だめ、かな?」
上目遣いにつぶらな瞳。
そしてこてんと首を傾げる仕草にギュンッと心臓を締めつけられた。
そんな顔をされてしまったらもう、ねえ…!?


