後ろの方から「いってらっしゃ〜い」と呑気な声が聞こえてくる。

驚きつつ、振り返ると呆れた顔をしているかよたんと面白そうにニヤニヤしている深森くんが私たちを見送っていた。


◻︎


誰も使われていない空き教室に連れ込まれ、ダンッ!!!と日山くんに2度目の壁ドンをされる。


「…お前さぁ、"秘密"って意味わかってる?」


冷たい瞳で見下ろされ、至近距離で彼はそう言った。


「と、とわぴったら!こんな真っ昼間から壁ドンだなんて大胆…!!」

「まずは俺の質問に答えろ。
後、いい加減その呼び方やめろ」

「え、でもとわぴって名前……」

「…あ゛?」

「……日山くん」


彼の睨む表情がヤクザにいそうな形相をしていて、思わず身を縮こませた。


「花崎さんはさ、一体何がしたいわけ?俺の裏の顔知ってどうしたいの?」

「どうしたいって……別に私、日山くんが性格悪いってことは皆にバラしたりしないよ!」


かよたんには言ってしまったけど……