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「美緒」
「……」
「おい、美緒」
日山くんが覗き込むようにして私を呼ぶ。
クレープ屋さんからの帰り道。
私は現在、不貞腐れ中である。
だってさっきのおばあちゃん、私と日山くん見て兄妹って言ったんだよ!?
妹に見えたってことはあれだよね!?
私がチビだからだよね!?
ちんちくりんだから妹に見えたんだよね!?
「美緒、聞いてんの?」
端正な顔が視界いっぱいに映され、思わず息が止まりそうになった。
「ぎゃあっ!?顔が良い!!!」
「うわ、うるさ」
私の叫び声に日山くんは顔を顰める。
「…さっきのおばあさんのことまだ気にしてんの?」
呆れた表情で聞いてくる日山くんに私はムッとする。
「そういう日山くんは気にしてないの?」
「他人の言うことは最近どうでもよくなってるから何も気にしてないけど」
「はあん??何だと貴様。ひゃーまくんはあれか?私たちがcoupleに見えなくてもいいってか?言っておくが私は兄妹って言われてとてつもなくイライラしてるんだよね!
あ、今こいつめんどくさいって思ったでしょ!?思ったよね!?すみませんねえ!チビでうるさくて日山くん大好きな女で───」