『──しんや』
『ん?なあに、とわ』
『おれ、兄ちゃんみたいな人になる』
小学6年生の頃。
黄色い帽子を被り、黒のランドセルを背負っていた幼いおれと永遠。
家が隣同士のおれたちは帰る方向も同じでいつも2人で下校していた。
"兄のようになる"と心に決めた永遠が次の日から自分の気持ちを押し殺し、
成長していくにつれて八方美人になっていくのをこの時は思いもしない懐かしい記憶───
ーーー
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「ひーやーまーくーん!!!」
昼休み。
屋上の扉が勢いよく開けられ、無邪気な笑顔でこちら(永遠の方)に向かって走ってくる花崎ちゃん。
そして後ろの方ではやれやれと言った表情でかよこちゃんが歩いている。
───そう、今日は4人で昼ごはんを食べようとおれが誘ったのだ。
「こんにちは、日山くん!昨日貴方様が『美緒の手作りべんとぅーが食べたいんだぜ☆』って言ってたので作ってきました!!どうぞ、お受け取りください!!!」
「食べたいなあ…とは言ってたけど、俺、そんな変なキャラじゃねえし。まあ、せっかく作ってくれたから食べてやらないこともないけど」