中学の頃は家柄や久遠くん目当て、外見だけ好きになって中身を見ようとしない女の子たちにうんざりしていた永遠。
そんな永遠の心を癒してくれたのが花崎ちゃんなわけで。
花崎ちゃんは花崎ちゃんで癖が強い子だし、永遠は素直じゃないし、なんか面白い2人だな〜って思う。
「やっほー花崎ちゃん。相変わらず元気だね〜」
「こんにちは、チャラ森くん」
「花崎ちゃんその渾名でずっと呼ぶつもりなんだね〜」
「日山くん!教科書ありがと〜!」
「無視ひどーい」
今日も安定に花崎ちゃんは永遠しか眼中にない。
永遠は「ん」と短く返事し、花崎ちゃんから教科書を受け取る。
「…美緒」
「なあに?」
「今日一緒に帰る?」
横目でそう聞く永遠。
「美緒がどうしても一緒に帰りたいなら帰ってやってもいいけど…」
ちょっ、おまっ、そん…永遠〜〜〜っ!!
そこは『一緒に帰ろう』って言わないとダメでしょうが このバカタレ。
ほんと照れ屋なんだから〜〜っ!!
…って、ほら〜〜!!
花崎ちゃんきょとんとしてるじゃん!!
永遠がちゃんと『一緒に帰りたい』って言わないからさ〜〜っ!!