最後に「聞いてください、マドモアゼル」とドヤ顔で言ってくる彼女に「誰がお嬢さんだ」と心の中でツッコんだ。
首筋にキスマークを付けられたことにすっかり忘れている美緒は隣の席に座ってギターを弾き始める。
後2つくらい印つけとけばよかった…と思いながら彼女の歌声とギターの音色についつい聞き入ってしまう。
まあ、楽しそうに演奏する姿もこれはこれでアリだな。
「今更なんだけどさ…」
演奏を終えた美緒に話しかけると「はい、なんでしょう」と首を傾げる。
「俺ら初めて会ったのって高校生になって2週間くらいの頃だったじゃん」
「うん、そうだね」
「実は俺、その1週間前に美緒が教室で1人ギター弾いてんの見た事あんだよね」
「えっ?今更すぎないか??」
「それな」


