は〜〜っ、お持ち帰りしたい。
別にこのまま押し倒して口塞いで舌入れて色々やってもいいんだけど、ここ学校だし。教室だし。
家に帰るとどうせ悠(甥っ子)や涼香いるし。
あの時も美緒にキスしようとしたけど、悠が入ってきて結局お預けのままだし。
…まあ、付き合ってから頬には毎日お互いキスしてるけども。
「日山くん、考え事しているお姿も絵になりますなぁ…!!」
「…あー、はいはい」
うっとりしながら見つめてくる美緒に対して適当に返事をする。
ったく…人の気も知らないで。
こっちは知りもしない男に彼女が言い寄られていたのを見てイライラしてたのに……
不機嫌になっている俺を他所に美緒は背負っていたギターを床に置き、きょとんとした表情を浮かべる。
今日は水曜日。
美緒が保育園で弾き語りをしに行く日だ。
そして美緒と付き合って1週間が過ぎたのだ。
自分の中では付き合った日から3日程くらいの感覚なのに、気がつけば1週間。
なんだか、時が経つのが早く感じる。
「ひゃーまくん、眉間にしわが寄ってるよ!」
ちょんっと人差し指で突かれ、ニコニコしている彼女を無言で見上げる。