勢いよく部屋の扉が開かれ、私たちはそれと同時に慌てて体を離した。
ドッドッと速くなる心臓を落ち着かせ、ドアの所に立っている人物の方に視線を移す。
「ゆ、悠くん…こんにちは……」
悠くんがニコニコしながら私たちを見ている。
悠くん、一昨日熱が出たって聞いたけど…
よかった、見るからに元気そう。
「こーら悠〜勝手にわーちゃんのお部屋行っちゃダメでしょ〜」
呆れた表情を浮かべた涼香さんがため息混じりにやって来る。
「あ!!りょ、涼香さん!おおおお邪魔してます!!!」
顔が真っ赤な状態で立ち上がり、頭を下げる。
「いらっしゃい、みおちゃん!悠ったら、みおちゃんが家に遊びに来てるってわかった途端、わーちゃんの部屋にすっとんでいっちゃってさ〜」
涼香さんがチラッと日山くんを横目で見た後、ニヤついた顔で「ジャマしてごめんね〜」と謝った。
「そうだ、みおちゃんが持ってきてくれたタルト皆で食べようってなってるんだけど、みおちゃんも一緒に食べない?」
「え、わたっ、私もご一緒してもいいんですか!?」
「もちろん!だってみおちゃんは悠の未来のお嫁さんだもん♡」
「ははは、私なんぞが悠くんのお嫁さんだなんて…」
「──おい、涼香」


