「もう一度聞くけど、今のとわぴは"王子"ではなく、悪魔のようにしか見えないんだけど、それはあなたの素なの?それとも──…」

「見られちゃったから言うけど、今の俺が本当の"俺"だけど?」


二重人格ですか?と聞こうとしたけど、最低腹黒クソ野郎であることは認める日山くん。


「…じゃあいつも皆に向けてる笑顔だったり、優しく接してくれてたのは全部嘘だったの?」

「ま、そういうことになるな」


今更?と小馬鹿にするような表情で見下ろしてくる。



「──嘘でしょ…」



日山くんは私たちを騙してたの?
自分の友達にも…?

あなたはいつも私たちを見下しながらこれまで過ごしてきたってこと──?


「あれ、ショックだった?
なんかごめんね、花崎さん俺のこと好きだったもんね〜。まあ、騙される方が悪いんだけどさ」


日山くんは不敵な笑みを浮かべ、話し続けた。


「でももし今の俺のキャラを皆にバラしたとしても花崎さんじゃ誰も信じないと思うし、このことは俺と2人だけの秘密ってことでいい?」


2人だけの秘密──…


固まっている私に気づいた日山くんはイラついたのか、睨むようにして話しかけてくる。