ぽつんと2人取り残され、お互い顔を見合わせる。
「涼香さん、めっちゃいい人だったね!」
「言うの忘れてたけど、涼香、悠の母親」
「……あっ!!!本当だ!!!」
日山くんのお兄さんの奥さんってことは日山くんの甥っ子の悠くんは涼香さんの子ども!!
…そう言えば、悠くんお母さんが買い物した後に保育園まで迎えに来てくれるって言ってたような──
パズルのピースが一つ一つ合わさっていき、頭の中がスッキリしたような気分になる。
「帰ろ。送ってく」
「…あ、うん」
「───あとさ、土曜日 暇?」
「え、うん、予定はないけど……」
今日は木曜日。土曜日は明後日だ。
部活やバイトをしていないため、土日は基本暇である。
「涼香に邪魔されたけど、さっきの話の続き…と、渡したい物あるから家 来てほしいんだけど」
「渡したい物…?家…??」
数秒考え込み、日山くんの言ったことを心の中で唱えるように繰り返す。
「……えっ!!??」
やっと理解できた私は3度目の叫び声を上げた。


