神様、ありがとう。

好きな人に、ましてや推しに壁ドンをされる時がこようとは──…

あたしゃもう幸せだよ…


「おい、合掌してないで俺の質問に答えろ」


日山くんの声で自分の世界から引き戻される。


"俺の質問"って、普通に答えていいの?
でも私が勝手に盗み聞きしたから言わなきゃいけない流れなのかな…

罰金?
私今からお金取られるの?

…でも札束持って不敵な笑みを浮かべる日山くんも悪くないな。


「では逆に私が質問してもよろしいでしょうか」

「…はあ?」


眉間にしわを寄せる日山くん。


「今のとわぴは最低腹黒クソ野郎というキャラになっているのですが、これはあなたのありのままの姿なのでしょうか?」


いつも振り撒いている優しい笑顔は一体どこへいったのやら…


「やっぱりお前、俺が電話してた時ずっと盗み聞きしてただろ」

「勿論、ばっちり聞いてましたとも!!
せっかく告白してくれた子に『クソ女』とか、『優しくしただけで俺のこと好きになるとか草』とか言っていたこともしっかり聞いてた!!!」

「さっきからその喋り方何なの?うざいんだけど。あと"とわぴ"って呼び方やめろ、キモい」


心底ウザそうな顔をされたが、今はそんなのどうでもいい。