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『後から文句言ったって知らねえから!!動こうとしない日山くんが悪いから!!』
速水の言葉が何度も脳内に再生される。
…言われなくたって分かってる。
自分から突き放したくせにまだ心の中には美緒がいて───
「とーわー。チカくん宣戦布告しててすごかったね〜。教室の外まで聞こえてた。さすが運動部だよね〜」
ヘラッとしながら深森が俺の所へやって来る。
「…永遠、花崎ちゃんと関わるようになってからだいぶ表情豊かになったよね。深森くんは嬉しい限りですよ」
「……」
「チカくん、花崎ちゃんは幸せになってほしいんだって。永遠は一体何に悩んでんのか知んないけど、もっと自信持っていいんじゃない?」
「……わかってる。俺も今日、美緒に謝って自分の気持ち話す」
だけど、それはもう手遅れで───…
「オレ、美緒ちゃんが好きだよ」
「うん!私も千花くんが好き!」
終わった──…
そう思った。


