だけど、遊園地の日。

速水の友人が

"千花は美緒が好き"

などとのことをうっかりとバラしてしまい、速水は美緒に告白した。


その時の美緒がこれまでに見たことないくらい、体全身と言ってもいい程紅潮させていた。

勢いで告白した速水にムカついたが、

俺に見せない表情をした美緒にも腹が立ってしまい───


『…チカくんと付き合った方が美緒も幸せなんじゃねえの?』


速水を勧め、


『チカくん、いいと思うよ。俺は2人応援する』


心の中がイライラ、ムカムカして、

どろどろのぐちゃぐちゃになって。


嫉妬心にまみれた俺は線引きをした───


最低で酷いことしたと思ってる。

俺が突き放すような言葉を発した時、美緒はとても悲しそうな顔をしていたから…


「──よくわからないけど、今の日山くんすっっっっげーださい」

「……あ?」

「"爽やか王子"って呼ばれてるのに今、オレの目の前にいる日山くんはお気に入りのおもちゃ横取りされて拗ねてる幼稚園児みたい」

「ようちえんじ……」


…もう、どうでもいい。
なんとでも言えよ。

どうせ俺は子どもで、幼稚で、わがままな人間だよ。