千花くんは優しい瞳で頷きながら私の話を聞いてくれていた。
───あぁ、いい人だなぁ。
こんなにいい人を私は……
ブンブンと首を横に振り、真っ直ぐ見つめ、
「千花くん私なんかを好きになってくれてありがとう!これからも友達としてよろしくお願いします!!」
頭を下げてそう言うと「美緒ちゃん」と呼ばれる。
顔を上げると千花くんは微笑んでいて、
「しっかり考えてくれてありがとう。美緒ちゃんを好きになってよかった」
と言ってすっと右手を差し出す。
私は差し出された手を両手でぎゅっと握ると千花くんも両手で握り返してくれた。
「友達!」
「うん、友達!」
ヘラッと笑い合い、お互いブンブンと両手で握手を交わす。
「オレ、(友達として)美緒ちゃんが好きだよ」
「うん!私も(友達として)千花くんが好き!」
握り合っていた手を話し、「それじゃ、バイバイ」と言った千花くんは背中を向けて立ち去って行った。
・
「ちーかーちゃん!」
「うおっ、火谷。びっくりさせんなよ…」
「ごめんごめん!ところで千花ちゃんさ〜、今からラーメン食いにいかね?俺奢るよ?」
「……お前、もしかして話聞いてた?」
「え〜?何のこと〜??」
「……まあ、いいや。後は日山くん次第だし……」
「"日山くん次第"?」
「ううん、なんでもない」
「──ふーん…まあ、その……ドンマイ☆」
「うるせー!!!」


