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「美緒ちゃん!」
日山くんのことでぐるぐると考えているといつの間にか放課後になっていた。
どうしたものか…と唸っていた最中に千花くんが教室にやって来た。
「千花くん!やっほ〜」
「穂波さんは?」
「かよたん今日バイトだから私を置いてさっさと帰ったよ!」
「そっか〜」
鞄を手に持って立ち上がり、入り口から顔を覗かせている千花くんの元へ向かう。
「千花くん部活は?」
「今日はないよ。毎週木曜日は部活休み」
「あ、そうなの!?」
なんだか今日は初耳のオンパレードだな。
いや、別にオンパレードって程の多さじゃないんだけども…
「あのさ、オレ、美緒ちゃんと話したいことあるんだけど……その、告白の返事…が聞きたくて……」
「あっ、わたっ…私もちょうど返事したいなって思ったいたところでして…!」
「はは…」
「ははは…」
ニコニコ微笑み合うが、お互い挙動不審になってしまう。
すると千花くんは深呼吸をし、ぺちんっと両手で自分の頬を叩く。
叩いたせいか、千花くんのほっぺたが赤くなっている。
そして真剣な瞳で真っ直ぐ見つめられ、緊張感がこちらまで伝わってくる。


